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数値積分(周期関数)

No.5 の課題で、(6) 式のものは端点に特異性を持つ(微係数が発散する) ので収束性が遅い。こういった問題には(Aitken 加速[1,2]など) 別のテクニックが必要となる。

逆にある場合には台形則の収束性が極めて早くなる。解析的な周期関数 $f(x)$の1周期$[a,b]$に渡る積分を台形則で計算した時の誤差は、 $f^{(m)}(a) =f^{(m)}(b)$ (すべての $m$ に対して)であるから、 Euler-Maclaurin の総和公式で、$O(h^m)$ の形の誤差はなくなり、収束が極 めて早くなる(ただし $\exp (-c/h)$ のような振舞いをする誤差は残り得る) [3]。 従って、収束加速法が特に必要なくなる(また、Richardson 補外の単純な応用で は扱えない)。

課題:

1.

\begin{displaymath}
\int_{0}^{2 \pi} \frac{ d \theta}{1 + p \cos \theta}
\qquad (0<p<1)
\end{displaymath} (1)

を計算せよ。解析的には留数定理の応用[4]で計算できる。

2.

\begin{displaymath}
J_n (z)=\frac{1}{2\pi} \int_{0}^{2 \pi} \cos ( n x - z \sin x ) dx
\end{displaymath} (2)

(Bessel 関数[5])を計算して、収束性を評価して見よ。注:gnuplot に $J_n (z)$ (besj0(x) など)がある。



Kiyohide Nomura 平成15年6月6日