GPS は、1.57542 GHz(L1 波) と 1.2276 GHz (L2 波) の2つの周波数帯の電波を 使っています。これにより、2周波により電離層による電磁波の遅延の補正が可 能です。なお、L1 波のみの情報でも、適当な電離層モデルを使うことで電離層 遅延の補正が 50% 程度できます。この周波数を周波数拡散変調(PSK:Phase Shift Keying) することで、時刻の情報を載せています。
GPS は元々軍用に開発されたため、高精度の P コード(精度 m, L1,L2 波 ) の仕様は公開されておらず、一般用の C/A コード(精度 m L1 波) では、安全保障上の理由から意図的にノイズ(SA:Selective Availability)を入れ精度を落していましたが、2000 年5月2日以降 SA は解除さ れました。SA の解除以降、一般用の C/A コードでも m 程度の精度 は出せるようになりました[6]。SA の解除は、SA の影響を除く DGPS 技術 (後述)が一般的になり、もはや SA をかけている意義が薄れたとの判断に よるものでしょう。
C/A コードは 1.023 Mbps;コード周期 1msec で変調されています。P コードは 10.23 Mbps;コード周期 1 週間で変調されています。