1次元量子系での有限温度での無散逸輸送

1次元量子系で、輸送現象(電気伝導度、熱伝導度、スピン拡散)が有限温度で も無散逸になり得ると言う理論的予測があります。超伝導では熱伝導度零とな るのとは大きく違います。 これらについての文献集めてみました。

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  1. 理論
    1. X. Zotos and F.Naef and P. Prelovsek: Phys. Rev. B, Vol. 55, pp.11029 (1997).
      "Transport and conservation laws"
      コメント: 1次元量子系で、輸送現象(電気伝導度、熱伝導度、スピン拡散)が有限温度で も無散逸になることを可積分系の場合について示した。ただし、電子系でのハー フフィリング、スピン系での磁化0の場合のように、Umklapp 過程が効く場合にまでは、彼らの証明は使えない。 この結果から、gappless の場合伝導度無限大、gap のある場合伝導度 0 とし たが、後者は厳密解から誤りであるとわかった。
    2. S. Fujimoto and N. Kawakami: J. Phys. A, Vol. 31, pp. 465-474 (1998)
      "Exact Drude weight for the one-dimensional Hubbard model at finite temperture"
      コメント: 1次元ハバードモデルで、厳密解を解き、量子系で、輸送現象が有限温度でも 無散逸になることをなることを確認した。これは、Drude 重みを計算したもの で、直ちに伝導度と結びつけられないが、重要な関連がある。 gappless の場合伝導度無限大、gap のある場合温度0では伝導度 0 だが、熱 の活性化にともない電子・ホールが生成され、伝導度無限大となる。
    3. N. M. R. Peres, P. D. Sacramento, D. K. Campbell and J. M. P. Carmelo: Phys. Rev. B, Vol. 59, pp.7382-7392 (1999), cond-mat/9804169
      "Curvature of levels and charge stiffness of one-dimensional spinless fermions"
    4. N. M. R. Peres, R. G. Dias, P. D. Sacramento: Phys. Rev. B, Vol. 61, pp.5169-5183 (2000),
      "Finite-temperature transport in finite-size Hubbard rings in the strong-coupling limit"
    5. S. Kirchner, H. G. Evertz, and W. Hanke: Phys. Rev. B, Vol. 59: pp.1825-1833 (1999) cond-mat/9804148
      "Transport properties of one-dimensional Hubbard models"
    6. X. Zotos: Phys. Rev. Lett., Vol. 82, pp.1764-1767 (1999).
      "Finite temperature Drude weight of the one-dimensional spin-1/2 Heisenberg model"
    7. T.Giamarchi and A. J. Millis: Phys. Rev. B, Vol. 46, pp.9325-9331 (1992).
      T.Giamarchi and B. S. Shastry: Phys. Rev. B, Vol. 51, pp.10915-10922 (1995).
      久保公式を朝永・ラッティンジャー流体にあてはめ、Drude 重みを計算。 可積分でない場合も議論の対象に入っている。
  2. 実験
    1. M. Takigawa, T. Asano, Y. Ajiro, M. Mekata, and Y. J. Uemura: Phys. Rev. Lett., Vol. 76, pp. 2173 (1996).
      コメント: NMR のスピン緩和率のデータから、輸送係数を議論した。後の理論で伝導度の 異常の実験的根拠として良く上げられている。

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低次元量子系理論研究グループ