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熱浴法

統計力学で平衡状態を出すには

\begin{displaymath}
W_{j}(\bm{x},\bm{y}) = P(\bm{y}) \propto \exp(-\beta {\cal H}(\bm{y}))
\end{displaymath} (6)

としてみることが考えられる。

例として、イジングスピンの場合を考えよう。特定の位置にある1つのスピンの み考え、残りを固定することで、 次にその位置のスピンが上向きになるか、下向きになるかの確率を上の関係式に従い決 めることが出来る。

\includegraphics{fig8.eps}

この時、エネルギーの差を局所的に求めるだけで済むので(2次元の平方格子で は 1つのスピンとその周辺スピン4つのみ)、比較的簡単な計算で済む。 つまり、$j$ サイトでの局所場を

\begin{displaymath}
h_{j} = \sum_{k(j)} \sigma_{k}
\end{displaymath} (7)

($k(j)$$j$ の隣接格子)としたとき、 $j$ サイトのスピンが次に $+1$ となる確率を
\begin{displaymath}
p_{j} = \frac{\exp(\beta h_{j})}{\exp(\beta h_{j})+ \exp(-\beta h_{j})}
= (1+ \exp(- 2 \beta h_{j}) )^{-1}
\end{displaymath} (8)

$-1$ となる確率を
\begin{displaymath}
\frac{\exp(-\beta h_{j})}{\exp(\beta h_{j})+ \exp(-\beta h_{j})}
= 1 -p_{j}
\end{displaymath} (9)

とすれば良い。



Kiyohide Nomura 平成17年6月13日