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: 参考文献 : 応用1:古典統計力学 : 熱浴法

メトロポリス法

自由度がイジングモデルのように離散的な場合は熱浴法で十分であるが、 分子の運動の位置および速度のように連続自由度の場合は、局所的にも次のプロセ スに無限の可能性が出るので、熱浴法では扱い難い。

この種の問題に対してはメトロポリス法が有効である。 メトロポリス法の手続きは以下のとおりである。

  1. 特定の箇所で、ランダムに試行状態 $\bm{y}$ を生成する。
  2. ${\cal H}(\bm{y}) \le{\cal H}(\bm{x})$ ならば次の状態として $\bm{y}$ を とる。
  3. ${\cal H}(\bm{y}) >{\cal H}(\bm{x})$ ならば、$[0,1]$ の間の一様乱 数 $\lambda$ を作り、 $\lambda < \exp (- \beta ({\cal H}(\bm{y}) - {\cal H}(\bm{x})))$ ならば次の状態として $\bm{y}$ をとる。それ以外なら以前の状態 $\bm{x}$をそのまま維持する。


[問題]

メトロポリス法で長時間の確率分布がカノニカル分布になることを確かめよ。



Kiyohide Nomura 平成17年6月13日