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: ユーザー受信機の誤差を考えた場合 : GPS 測位の原理 : GPS 測位の原理

理想的な場合

まず、GPS 衛星とユーザー受信機ともに正確な時計を共有している場合を考えま しょう。 この時、ある GPS 衛星から電波を送信した時刻 $t_{t} {\rm [ sec]}$ と、ユーザー受信機で受信した時刻 $t_{r} {\rm [ sec]}$ を測定すれば、その間の距離 $r {\rm [m]}$ は光速 $c {\rm [m/sec]}$ を使って
\begin{displaymath}
r= c (t_{r}-t_{t})
\end{displaymath} (2)

により求めることができます。

次に複数の GPS 衛星($N$ 個)を考え、$i$ 番目の GPS 衛星とユーザ受信機の間 の測定距離を $r_{i} {\rm [m]}$ とします。GPS 衛星の位置はわかっているものとしてユーザ受信機の位置を求め ることを考えます。 ユーザー受信機位置を $(x,y,z)$$i$ 番目の GPS 衛星の位置を $(x_{i},y_{i},z_{i})$ とすると、

\begin{displaymath}
r_{i}^2 = (x_{i}-x)^2+ (y_{i}-y)^2 +(z_{i}-z)^2
\end{displaymath} (3)

したがって、ユーザー受信機位置を求めるには
$\displaystyle r_{1}^2$ $\textstyle =$ $\displaystyle (x_{1}-x)^2+ (y_{1}-y)^2 +(z_{1}-z)^2$  
$\displaystyle r_{2}^2$ $\textstyle =$ $\displaystyle (x_{2}-x)^2+ (y_{2}-y)^2 +(z_{2}-z)^2$  
    $\displaystyle \cdots$  
$\displaystyle r_{N}^2$ $\textstyle =$ $\displaystyle (x_{N}-x)^2+ (y_{N}-y)^2 +(z_{N}-z)^2$ (4)

の連立方程式を $(x,y,z)$ について解けば良いわけです。 これは平面図で表すと、図 2 のように、各送信源を中心とする円の交点として位置を求めることに当 たります。



Kiyohide NOMURA 平成21年6月10日