論文 [6]では S=1/2 反強磁性鎖で有限温度での相関距離と自
由エネルギーを熱ベーテ仮説で求め、共形場理論で解析した。この系には
marginal operatorによる対数補正 が現れるが、さら
に 2-loopの繰り込みによる項
が重要であること
を見い出した。
次の論文 [7]では温度0でベーテ仮説方程式を数値的に
解いて有限サイズの補正を調べ、基底状態エネルギーに対する補正
の係数に関し、今までのベーテ仮説の解析的な漸近
展開(Euler-Maclaurin 展開)で見落とされていた項があることを発見した。有限
系に対するベーテ仮説は代数方程式の形で表される。これを積分方程式に書き直
す際積分の上限及び下限で被積分関数が解析的であると仮定していたが、対数補
正がある場合にはこの前提が崩れる。
このテーマはその後、高橋先生・Affleck のグループにより発展し、低温での帯 磁率に対する対数アノマリーがでるということで、実験的にも観測されるように なった。