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: ルビジウムガスセル型原子時計 : 原子時計(量子力学) : 原子時計と超微細構造

セシウムビーム型原子時計

セシウム(Cs)原子時計は、 ${\rm ^{133}Cs}$の基底状態 (6S 軌道) の超微細構造準位間の 遷移周波数 2
\begin{displaymath}
\nu_{Cs} = 9,192,631,770 {\rm Hz}
\end{displaymath} (12)

を計測して、高精度に時間と周波数を求 めるものです。 ${\rm ^{133}Cs}$ の原子核のスピンは $I=7/2$ なので、基底状態 6S には $F=4,3$ の超微細構造があります。

セシウムビーム型原子時計ではセシウムを摂氏100度で加熱して 原子ビームをつくり、これを偏向磁場(最近では半導体レーザーによる光ポンピ ング)で準位間の分布差を作り、 さらに2個の空洞共振器の組み合わせで共鳴周波数を測定します(ラムゼイ (Ramsey)共鳴)[4]。 2個の空洞共振器の間を原子ビームが移動する時間が観測時間 $\Delta t$ にあ たり、これによりスペクトル線幅が決まります。

ラムゼイ共鳴では原子ビームと垂直方向に電磁波を加えるので、1次のドップラー 効果は寄与しませんが、特殊相対性理論による2次のドップラー効果は残ります。 また、偏向磁場を用いるものではこれによる残留磁場の影響があります。 光ポンピング方式では残留磁場の影響がないので時間精度が向上します。



Kiyohide NOMURA 平成21年6月10日