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: 一般的注意 : 収束加速法 : Richardson 補外

Aitken 加速

実際の問題では収束率$\lambda$が未知であることが多い。そのような場合、 ([*]) 式から、

\begin{displaymath}
a_{n+1}-a_{n}
\approx b \lambda^{n+1} - b \lambda^{n}
= b\lambda^{n}(\lambda -1)
\end{displaymath} (15)

であるので、 $a_{n+1}-a_n$ $a_{n+2}-a_{n+1}$ の比から
\begin{displaymath}
\lambda = \lim_{n \rightarrow \infty} \frac{a_{n+2}-a_{n+1}}{a_{n+1}-a_n}
\end{displaymath} (16)

$\lambda$ を推定を推定することができる。

この $\lambda$ の推定式をRichardson 補外で導いた式 ([*]) に代入すると、

\begin{displaymath}
a \approx
a_n^{(1)} = a_n - \frac{(a_{n+1}-a_{n})^2}{a_{n...
...
= a_{n+2} - \frac{(a_{n+2}-a_{n+1})^2}{a_{n+2}-2a_{n+1}+a_n}
\end{displaymath} (17)

が得られる。

Aitken 加速は1次収束に対してだけでなく、 混合型 ([*]) や交代的な収束性を示すもの ([*]) にも有効である (説明は次回以降)。 しかし、単純な冪乗的収束を示すもの([*])には、あまり効果がない。

得られた数列 $a_n^{(1)}$ に対し、Aitken 加速をさらに繰り 返し、 $a_n^{(2)},a_n^{(3)},\cdots$ と収束を向上できる。


課題:

与えられた数列に対し、Aitken 加速された数列を返すプログラムを(で きればサブルーチンの形で)作れ。倍精度実数を使うこと。



Kiyohide Nomura 平成17年6月6日