2次元古典系,1次元量子系の多様な系が BKT 転移を示すが,個 別に扱うと繁雑なので,ボゾン化などで sine-Gordon ・2次元クーロンガス といった有効モデルに置き換え[3,19,20],繰り込 み群的解析をする.
1+1 次元量子 sine-Gordon 模型は
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まず自由場()の相関関数を調べる.
の相関関数は
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次に相互作用のある場合 に進もう. 摂動論的繰り込み群で扱うと, として 式(5)が得られ, の前後で 項が relevant から irrelevant に変わる. この時,双対性は成立しない が,スケーリング次元の交差は BKT 臨界線の判定に使えるのではないか? 実際,繰り込み群からスケーリング次元への有限サイズ補正を求め ると表 1 となり,BKT 転移点 で対数補正を 含めても ( ) と ()の励起が交差する.
量子数については で は U(1) 対称性を失い量子数 は無意味になるが, の反転で不変なためパリティの量子数が残る. 演算子の側でもこれを考慮し, という形のものをとる.
演算子の繰り込みについては が式 (5) で繰り込まれ,(18) から スケーリング次元全体に影響する. さらに とマージナル演算子は の繰り込みの影響 も受ける. これは でスケーリング次元が 同じになるだけでなく,対称性(量子数) でも U(1)・パリティ・波数全て同じなので, sine-Gordon モデルの の相互作用項により2状態間の混成が起こるからで ある.以上をまとめたものが前出の表 1 である.
では繰り込み群の高次ではどうか? 実は sine-Gordon 模型の BKT 転移 線が SU(2) Thirring モデルにマップできる性質 [22]を反映し,繰 り込み群の高次でもスケーリング次元の構造は変わらない. 今のケースでは BKT 転移線上の SU(2) 対称性は間接的だったが, 次節の massive 領域で 対称性の破れがあるケースでは SU(2) 対 称性があらわに出る.