対称性の破れを伴う BKT 転移では,ガウシアン転移線の両側の
massive 相は,パリティ対称性で区別できた.
では,通常の BKT 転移で2つの massive 相
をどう区別したら良いか?
北澤のひねり境界条件法 [16,17]を使うと,隠れ
た
対称性の破れが明確になる.
ひねり境界条件(TBC)は,4節のバーテックス演算子で表現すると,
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(7) |
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(8) |
TBC の元で反転操作に対する対称性が定義される(ただし,周期境
界条件(PBC)のパリティとは別).この量子数に対応し,ガウシアン転移線で
の状態に準位交差が起きる(表 1 の TBC
の項参照).
さらに TBC を使うと BKT 転移線上での(隠れた) SU(2)
対称性が明確になる.つまり,PBC での
の励起と TBC
での
の励起の準位交差からBKT転移点を決められる
[13](表 1 参照).
レベルスペクトロスコピーにひねり境界条件法を併用すると精度の向上に加え, 量子数の関係で磁化プラトーの問題が扱い易くなる.